瞬膜腺というものが飛び出してしまう異常です。
若い年齢から見られることが多いです。
そのままにしておくと目やになどの不快症状が出ることも少なくないので早めに治療(手術)することをお勧めします。
チェリーアイ(瞬膜腺脱出)
ピンク色のもの(瞬膜腺)が飛び出しています。目やにも多く見られます。
整復手術後
角膜黒色壊死症
はっきりとした原因はわかっていませんが、典型例では図のように特徴的な黒色の異常が見られます。一般的には内科的な治療が行われますが、その間に穿孔(角膜に穴が開いてしまうこと)することがあるので油断はできない状態です。
乾性角結膜炎
一般的にドライアイと呼ばれているものです。涙が少ないときだけではなく、涙の性状が良くない場合にも類似した症状が見られます。
多くの場合は点眼による症状の改善が見られます。
目全体にわたる多量の目やに
目(角膜)に光沢がなく、血管が発達している
水晶体後方脱臼
レンズが目の後ろ側に落ちてしまう異常です。
一般的に前方脱臼よりも緊急性は低いので、原因となる重篤な病気がなく患者様に不快症状がなければ、経過を見ることが多いと思います。
一方でぶどう膜炎などの症状が見られる場合は積極的な治療が推奨されます。
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨(しつがいこつ)とはいわゆる膝のお皿のことです。
このお皿が正常な位置と異なる場所に脱臼してしまうことがあります。
脱臼する方向によって名称が変わりますが、小型犬では内側への脱臼がほとんどであり、この場合は膝蓋骨内方脱臼と呼びます。
軽度なものから重度のものまであります。
事故やケガなどで脱臼することもありますが、ほとんどは生まれつきのものと考えられます。
一般的には、生活に支障をきたしているような場合あるいは支障をきたすことが予想される場合に手術を行います。
黄色点線:異常な膝蓋骨の位置
赤色点線:本来、膝蓋骨があるべき位置
脛骨(スネの骨)の骨折
プレート(ロッキングプレート)とスクリューを使用して治療しました。
大腿骨(太ももの骨)の骨折
ピンとワイヤーを用いて治療しました。
手術前>
手術後>
大腿骨遠位端骨折
中手骨(指の骨)の骨折
ピンを用いて治療しました。
小型犬の橈尺骨(前足の骨)骨折 ~創外固定~
最近は、交通事故による大規模な骨折は非常に少なくなっています。
一方で、小型犬の前足の骨折を診ることがあります。
小型犬の場合、骨が非常に細く、繊細なためちょっとしたところからジャンプしただけで骨折してしまうことがあります。
骨折した骨の幅は3mm少ししかありません。
創外固定という方法で手術を行い、治癒した2ヶ月後には全ての器具を取り除きました。