水晶体(いわゆるレンズ)が白く濁る病気です。
レンズが白くなるので、物が見えにくくなることは想像しやすいと思いますが、それ以上にぶどう膜炎や緑内障などの合併症の発生に配慮しなければいけません。
特に若い年齢で発症した場合、進行速度は早いので迅速な治療が推奨されます。
白内障

レンズ(矢印)が白くなっています。 白目の充血や不快症状は見られていません。
デスメ膜瘤
何らかの原因で角膜にとても深い傷ができて、デスメ膜という膜が飛び出している状態です。まれに、多くの目薬や飲み薬で改善してくれることもありますが、原則的には迅速な外科的処置が望まれます。

角膜は全体的に腫れていて、中央部(矢印)は盛り上がっています。 中央付近のクリーム色の部分は細菌感染を起こしており、非常に緊急度が高い状態です。
まぶたのできもの(眼瞼腫瘤)
多くは中~高齢で見られます。
犬の場合はその多くが良性であると言われています。
そのため、様子を見ることもありますが、大きくなっているようなときは早めに手術で取り除いてあげたほうが良いです。

目やにや充血も見られています
チェリーアイ(瞬膜腺脱出)
瞬膜腺というものが飛び出してしまう異常です。
若い年齢から見られることが多いです。
そのままにしておくと目やになどの不快症状が出ることも少なくないので早めに治療(手術)することをお勧めします。

ピンク色のもの(瞬膜腺)が飛び出しています。目やにも多く見られます。

整復手術後
角膜黒色壊死症
はっきりとした原因はわかっていませんが、典型例では図のように特徴的な黒色の異常が見られます。一般的には内科的な治療が行われますが、その間に穿孔(角膜に穴が開いてしまうこと)することがあるので油断はできない状態です。

乾性角結膜炎
一般的にドライアイと呼ばれているものです。涙が少ないときだけではなく、涙の性状が良くない場合にも類似した症状が見られます。
多くの場合は点眼による症状の改善が見られます。

目全体にわたる多量の目やに
目(角膜)に光沢がなく、血管が発達している
水晶体後方脱臼
レンズが目の後ろ側に落ちてしまう異常です。
一般的に前方脱臼よりも緊急性は低いので、原因となる重篤な病気がなく患者様に不快症状がなければ、経過を見ることが多いと思います。
一方でぶどう膜炎などの症状が見られる場合は積極的な治療が推奨されます。

膝蓋骨脱臼
膝蓋骨(しつがいこつ)とはいわゆる膝のお皿のことです。
このお皿が正常な位置と異なる場所に脱臼してしまうことがあります。
脱臼する方向によって名称が変わりますが、小型犬では内側への脱臼がほとんどであり、この場合は膝蓋骨内方脱臼と呼びます。
軽度なものから重度のものまであります。
事故やケガなどで脱臼することもありますが、ほとんどは生まれつきのものと考えられます。
一般的には、生活に支障をきたしているような場合あるいは支障をきたすことが予想される場合に手術を行います。



黄色点線:異常な膝蓋骨の位置
赤色点線:本来、膝蓋骨があるべき位置
脛骨(スネの骨)の骨折
プレート(ロッキングプレート)とスクリューを使用して治療しました。



大腿骨(太ももの骨)の骨折
ピンとワイヤーを用いて治療しました。

手術前>

手術後>